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西洋医学について
現在のがん治療の中心となるのは、西洋医学に基づく 標準治療 です。標準治療とは、国内外の臨床研究・科学的根拠(エビデンス)に基づき、多くの患者に効果が確認されている治療法のことを指します。がん治療の第一歩は、がんの種類・ステージ・患者さんの体力や生活背景などを総合的に評価し、最も適切な標準治療を選択することから始まります。標準治療は、がんそのものを抑えるための“主軸となる治療”であり、統合医療はその効果を支え、生活の質を保つ“支える治療”として併用されます。
標準治療の主な3つの柱
| 治療法 | 目的と特徴 | 用いられる場面 |
|---|---|---|
| 手術療法 | がんのある部位を直接取り除く治療。 根治の可能性がある。 |
早期がん、局所がん |
| 抗がん剤 (化学療法) |
細胞分裂の盛んながん細胞の増殖を抑える薬物治療。 全身に働く。 |
転移・再発、術前・術後補助療法 |
| 放射線治療 | 放射線を照射し、がん細胞のDNAにダメージを与えて 増殖を抑える治療。 |
局所治療、転移部位のコントロール |
これらは単独で行われる場合もあれば、組み合わせて行われることが一般的です。
例)手術前に腫瘍を小さくする → 抗がん剤
手術後に再発を防ぐ → 抗がん剤・放射線
手術が難しい → 抗がん剤・放射線が中心
近年の進歩:個別化医療(オーダーメイド治療)
がん治療は「強い薬で叩く」時代から、がん細胞の性質に合わせて治療を選ぶ時代へ移っています。
| 新しい治療 | 特徴 | 臨床上のポイント |
|---|---|---|
| 分子標的治療 | がん細胞に特有の信号伝達経路を抑える薬剤 | 遺伝子変異の検査が重要 |
| 免疫療法 (チェックポイント阻害薬など) |
がんに対する免疫反応を回復・強化する | 効果に個人差がある |
| ホルモン療法 | 特定ホルモンが関わるがんの進行を抑える | 乳がん・前立腺がんで用いられる |
近年は、腫瘍の遺伝子プロファイル検査(遺伝子解析)により、治療薬の選択精度が高まっています。
標準治療に伴う身体への負担
がん治療は、がん細胞だけでなく 正常な細胞にも影響を与える場合があります。
| 影響 | 背景 |
|---|---|
| 体力・筋肉量の低下 | 摂食低下、代謝負担、治療に伴う消耗 |
| 消化器症状(食欲不振・吐き気など) | 薬剤作用・粘膜細胞への影響 |
| 免疫機能の低下 | 白血球・リンパ球の減少、炎症の乱れ |
| 精神的ストレス・睡眠の質の低下 | 治療中の不安と緊張 |
| 生活の質(QOL)の変動 | 「治療と日常の両立」が課題となることがある |
このため、標準治療と同時に 身体を支える対策 が重要になります。
標準治療と統合医療は「役割が異なり、支え合う」
標準治療 = がんそのものに直接作用する治療
統合医療 = 身体が治療に耐えられる環境を整えるケア
| 支える要素 | 意図・目的 |
|---|---|
| 栄養管理・食事ケア | 筋肉量維持、治療継続のための体力維持 |
| 運動療法 | 代謝と回復力の維持、慢性炎症対策 |
| 自律神経・睡眠ケア | 免疫調整・ホルモン安定 |
