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検査データ解説
がん治療では、検査データの変化が治療の方針や継続判断に深く関わります。しかし、検査データは「良い・悪い」と単純に評価できるものではありません。重要なのは、数値そのものではなく、時間とともにどう変化しているかという「推移」です。また、検査にはがんそのものを評価する指標と、身体の状態(治療を続けるための体力・免疫・炎症・栄養)を評価する指標の両方があります。がん治療では、この二つを同時に見て判断する視点が必要です。
がんそのものを評価する検査
| 検査・指標 | 説明 | 評価のポイント |
|---|---|---|
| 画像検査 (CT/MRI/PET-CT/超音波) |
腫瘍の大きさ・位置・転移の有無を確認 | 「大きさ」「増減」「新たな病変」の確認 |
| 病理検査(生検) | 組織を顕微鏡で観察し、がんの種類・悪性度を確定 | 治療選択の基礎情報 |
| 遺伝子プロファイル検査 | がん細胞の遺伝子変異を調べる | 分子標的薬や免疫療法の適応判断に必須 |
| 腫瘍マーカー | 血液中のがん関連物質 | 単独では診断できないので「推移」で見る |
腫瘍マーカーが一度上昇しただけでは、判断しない。画像・臨床症状・日常の状態と合わせて総合的に評価することが重要。
身体の状態を評価する検査(治療が続けられるか)
| 指標 | 内容 | 用途 |
|---|---|---|
| 血液検査 (白血球/リンパ球/Hb/血小板) |
免疫・貧血・出血リスクなどを反映 | 抗がん剤の継続可否に影響 |
| 肝臓・腎臓の機能 (AST/ALT/クレアチニン等) |
薬の代謝・排泄に関わる臓器の状態 | 治療薬の調整に必須 |
| 炎症マーカー(CRP等) | 体内の炎症・感染の有無を反映 | 慢性的炎症 → 身体環境悪化の指標 |
| 栄養指標(アミノ酸・アルブミン等) | 体力・筋肉量・回復力の背景となる状態 | 低栄養は副作用増強につながる |
| 体組成(筋肉量/体脂肪) | 体力と代謝の基盤 | 治療継続と再発予防に直結 |
