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がん治療でよく用いられる専門用語解説
がん治療に向き合う際、医療現場では多くの専門用語が用いられます。治療内容や検査結果を理解するうえで、言葉の意味が分かることは大きな助けになります。ここでは、診察・説明・検査結果・治療方針の場面で特に頻繁に登場する用語を、整理して解説します。同時に、どの用語が「がんそのもの」に関係し、どの用語が「身体環境や治療体力」に関係するのかも明確にします。
がんの特徴を表す用語
| 用語 | 意味 | 治療における重要性 |
|---|---|---|
| 腫瘍(しゅよう) | 体内で異常増殖した細胞の塊 | 良性か悪性かを区別する必要がある |
| 悪性腫瘍(がん) | 周囲に広がり、転移する可能性がある腫瘍 | 根治治療と再発予防の対象 |
| ステージ(病期) | がんの広がりの程度(0~IV期) | 治療方針と根治可能性に直結 |
| グレード(悪性度) | がん細胞の「性質」の強さ | 増殖スピード・転移のしやすさの指標 |
| 転移 | がんが血液やリンパを通じて他部位へ広がること | 進行度と治療目的に影響 |
ステージ=どこまで広がっているか
グレード=がん細胞がどれだけ攻める性質か
この2つは別の概念です。
治療内容に関わる用語
| 用語 | 説明 | 位置づけ |
|---|---|---|
| 手術療法 | がんの病巣を物理的に取り除く | 根治を目指す中心的治療 |
| 抗がん剤(化学療法) | がん細胞の増殖を抑える薬物療法 | 全身に作用する |
| 放射線治療 | 放射線でがん細胞を破壊する局所治療 | 手術困難例や補助療法に用いられる |
| 分子標的治療 | がん細胞に特有のシグナルを狙う薬 | 遺伝子プロファイルに基づき適応が決まる |
| 免疫療法(チェックポイント阻害薬など) | 免疫の働きを抑える「ブレーキ」を外す治療 | 効果に個人差・副作用の特徴がある |
| ホルモン療法 | ホルモン依存性がんの増殖を抑える治療 | 乳がん・前立腺がんで用いられる |
検査や数値に関する用語
| 用語 | 説明 | 注意点 |
|---|---|---|
| 腫瘍マーカー | 血液中に現れるがん関連物質 | 単独では診断できず「推移」で見る |
| CT/MRI | 体内の構造や腫瘍の大きさを評価 | 病巣の広がりを把握する |
| PET-CT | がん細胞の代謝活性を画像化する検査 | 転移・再発の評価に有用 |
| 生検(バイオプシー) | 組織を採取して顕微鏡で調べる検査 | がん診断の確定に必要 |
| 遺伝子プロファイル検査 | がん細胞の遺伝子変異を解析 | 治療選択(分子標的・免疫治療)に影響 |
数値だけで一喜一憂せず、「経過の変化」や「体調」と合わせて評価することが重要です。
身体の状態を示す用語(治療の土台)
| 用語 | 意味 | 治療に与える影響 |
|---|---|---|
| 栄養状態(Alb,TP等) | 体力や回復力、薬剤耐性の土台 | 低栄養は治療継続を困難にする |
| 筋肉量(サルコペニア) | 身体活動・代謝力の基盤 | 体力維持は再発予防にも関連 |
| 炎症マーカー(CRP等) | 体内の炎症状態を反映 | 慢性炎症は細胞環境の悪化要因 |
| 免疫バランス(リンパ球比率等) | 身体が異常細胞に対処する力 | 免疫低下は治療の受けやすさに影響 |
これらは 標準治療の効果を左右する身体環境 に関係します。
統合医療に関係する用語
| 用語 | 説明 | 役割 |
|---|---|---|
| 統合医療 | 標準治療を土台とし、 身体環境を整える医療観 |
治療継続・回復力・再発予防を支える |
| 補完療法 | 標準治療と併用し、 身体機能を支援する療法 |
代替ではなく「支える」目的 |
| 代替医療/代替療法 | 標準治療を行わずに 別手段に置き換える |
がん治療としては推奨されない |
| 低分子化フコイダン | 海藻由来成分。 身体の防御機能に着目したサポート成分 |
標準治療の補完として検討されることがある |
