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統合医療について
がん治療では、手術・抗がん剤・放射線などの標準治療が主軸となります。しかし、治療を進めるなかで、多くの患者さんが直面するのが 体力の低下・免疫機能の変動・食欲の低下・睡眠や精神面の揺らぎ など、身体全体のバランスの問題です。
そこで注目されているのが、標準治療を土台に、身体が治療を受け続けられる状態をつくる「統合医療」 です。
統合医療は、「標準治療と対立するもの」ではありません。むしろ、標準治療の効果を最大限に生かし、治療を継続しやすくし、再発予防や生活の質（QOL）維持を支えるものです。
統合医療とは何か
統合医療は、医学的根拠に基づく西洋医学に、生活習慣ケア・栄養療法・運動療法・メンタルケア、自然由来成分の利用などを組み合わせて、患者を身体と心の両面から支える医療観です。
西洋医学（標準治療）→ がんそのものを治療
統合医療（補完型ケア）→ 身体環境を整え、治療継続・再発予防・QOLを支える
がん治療は「病巣に対する治療」と「身体環境を整える治療」の 両輪で進めること が重要です。
統合医療で重視される「身体環境」の要素
| 支える領域 | 目的・役割 |
|---|---|
| 栄養状態の最適化 | 体力・筋肉量維持、代謝の安定、治療耐性の確保 |
| 免疫の土台を整える | 身体の防御システムを保つための基盤づくり |
| 炎症・酸化ストレスのコントロール | 細胞環境を整え、再発予防に関わる要素 |
| 腸内環境の改善 | 免疫の約7割が腸に関係するため、極めて重要 |
| 睡眠・自律神経の安定 | 免疫バランス・内分泌・ストレス反応に関与 |
| 適度な運動・呼吸法 | 疲労軽減・代謝活性化・慢性炎症の軽減に寄与 |
がんは「細胞の病」であると同時に、身体環境の病でもあるため、治療の成功には 全身の環境整備が欠かせません。
自然由来成分と統合医療
統合医療では、自然に存在する成分をもちいた身体環境のサポートが検討されることがあります。その一つとして、海藻（モズク、コンブ、ワカメ等）に含まれる多糖体 フコイダン が知られています。特に、消化吸収性を考慮し加工された 低分子化フコイダン は、身体の防御機能を支える視点から使用が検討されることがある成分として位置づけられます。
治療中・治療後に統合医療が果たす役割
| フェーズ | 必要となるケア |
|---|---|
| 治療中 | 副作用対策、体力維持、食事サポート、免疫バランス調整 |
| 治療終了後 | 再発予防、代謝と筋力回復、生活の再構築、心の安定 |
| 長期経過観察期 | 生活習慣の最適化、セルフケア継続、定期評価 |
