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がんについて
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外陰がん

【1】外陰がんとは

外陰とは、性器の外側の部分(恥丘(ちきゅう)、大陰唇、小陰唇、陰核、外尿道口、腟前庭(ちつぜんてい)、会陰(えいん)など)の総称です。 外陰がんは、女性性器の外陰部に発生するがんで、婦人科のがんの中では約3%程度のまれな病気です。多くは50歳以上の方にみられ、若い方には少ない病気です。

外陰がんは、ヒューマン・パピローマ・ウイルス(human papilloma virus:HPV)感染や硬化性苔癬(こうかせいたいせん:外陰部などに硬く発疹のような皮膚の隆起が数多くできる)が要因とされています。

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【2】症状

初期の症状としては、外陰部にビー玉や大豆のような感触のしこりができたり、しつこく続くかゆみと湿疹です。また、不正出血や痛み、排尿時の灼熱感(しゃくねつかん:強く焼けるような感じ)などの症状が現れる場合もあります。

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【3】診断

早期診断に不可欠なのは、まず外陰部の視診と触診です。外陰がんが疑われる場合には、組織の小片を切除し(生検)、顕微鏡でがんの有無を観察(病理検査)します。

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【4】病期(ステージ)

  • 0期

    上皮内がんとも呼ばれる、早期のがんです。

  • I期

    がんが外陰のみ、もしくは会陰部と呼ばれる肛門と腟の入口の間の領域にのみ認められる場合で、大きさが2cm以下、リンパ節転移を認めない場合です。
    浸潤(しんじゅん:がんが深部の組織や周囲の組織に広がること)の深さが1mm以下のものをIa期、1mmを超えるものをIb期とします。

  • II期

    がんが、外陰もしくは会陰部のみに認められる場合で、大きさが2cmを超えていて、リンパ節転移を認めない場合です。

  • III期

    がんが、外陰もしくは会陰部に認められ、大きさにかかわらず尿道の下部、腟、肛門などにおよんだ場合はIIIa期、一側の所属リンパ節(鼠径部(そけいぶ:足のつけ根)及び大腿上部のリンパ節)に転移があるものはIIIb期とします。

  • IV期

    がんが上部尿道、膀胱の粘膜、直腸粘膜あるいは恥骨に浸潤するか、両側の所属リンパ節に転移がある場合はIVa期、骨盤内のリンパ節を含む遠隔臓器のいずれかに転移があるものはIVb期とします。

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【5】治療

外陰がんには外科療法、放射線療法、化学療法の3種類の治療法があります。

1.外科療法

外陰がんの治療は、できる限り手術を行うのが基本です。

(1)局所切除
周りの正常な組織も1~2cm含めてがんを切除します。

(2)レーザー蒸散療法
がん細胞をレーザー光線でやき切ります。

(3)単純外陰切除
外陰全部をとりますが、主に皮膚の切除を目的としています。

(4)広汎性外陰切除
外陰皮膚全部をとりますが、皮下の脂肪組織やそこに含まれるリンパ組織もあわせて切除します。

(5)骨盤内臓摘出術
がんが外陰を越えたり、他の器官に広がっている場合は、子宮、腟と一緒に直腸、膀胱もとり除くこともあります。

これらの手術の後、身体の他の部位から皮膚などの組織をもってきたり、人工的外陰・腟形成を行うための形成外科手術が必要な場合があります。 また、骨盤内臓摘出術を行った場合には、人工肛門、人工尿路などのストーマをつくらなければなりません。

2.放射線療法

コバルト60や高エネルギーX線を使います。この治療は、体外から照射する方法(外照射)と、がんがある部分にプラスチックチューブを差し込んで放射線を出す物質をチューブの中に挿入し、中から直接照射する方法(組織内照射)があります。放射線治療は、単独で用いられる場合と、手術療法と併用して手術の前や後に行われる場合があります。

3.化学療法

抗がん剤を、内服や、血管内または筋肉内への注射で投与します。外陰がんの場合、化学療法は、主に放射線治療と同時に、補助的な治療として行われます。

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【6】病期(ステージ)別治療

  • 0期

    (1)局所切除、またはレーザー蒸散、またはこれらの併用
    (2)単純外陰切除
    (3)抗がん剤含有軟こうの局所塗布
      のいずれかが選択されます。

  • I期

    (1)局所切除
    (2)局所切除+片側の鼠径部と大腿上部のリンパ節切除
    (3)広汎性外陰切除と、両側の鼠径部と大腿上部のリンパ節切除
    (4)広汎性外陰切除と、鼠径部への放射線療法
    (5)放射線療法
      のいずれかです。手術の場合は、病変の深さや広がりにより、(1)~(4)のいずれかが選択されます。

  • II期

    (1)広汎性外陰切除と、両側の鼠径部と大腿上部のリンパ節切除。病変の大きさ、広がりなどにより、外陰部に放射線療法の追加
    (2)広汎性外陰切除と鼠径部への放射線療法
    (3)放射線療法
      のいずれかが選択されます。

  • III期

    (1)広汎性外陰切除と、両側の鼠径部と大腿上部のリンパ節切除。リンパ節に転移が見つかった場合、手術後骨盤と鼠径部に放射線療法。病変の大きさ、広がりなどにより、外陰部に放射線療法の追加
    (2)放射線療法、あるいは放射線療法と化学療法の併用療法の後、広汎性外陰切除と、両側の鼠径部と大腿上部のリンパ節切除
    (3)放射線療法単独、または放射線療法と化学療法の併用療法
      のいずれかが選択されます。

  • IV期

    (1)広汎性外陰切除と子宮、腟と一緒に直腸、膀胱(がんの広がっている部位による)をとり除く骨盤内臓摘出術
    (2)広汎性外陰切除(+骨盤内臓摘出術)の後、リンパ節転移、病変の大きさ、広がりなどにより、外陰や、骨盤、鼠径部に放射線療法
    (3)放射線療法あるいは放射線療法と化学療法の併用療法の後、広汎性外陰切除と、両側の鼠径部と大腿上部のリンパ節切除
    (4)放射線療法単独、または放射線療法と化学療法の併用療法
      のいずれかが選択されます。

  • 再発

    再発後の治療は、再発した部位や大きさや症状、さらに最初にどんな治療法を受けたかにより違ってきます。
    (1)局所切除のみ、あるいは局所切除と放射線療法
    (2)広汎性外陰切除と、子宮、腟と一緒に直腸、膀胱(がんの広がっている部位による)をとり除く骨盤内臓摘出術
    (3)放射線療法+化学療法、あるいは放射線療法+化学療法と外科療法の併用療法
    (4)局所再発に対する、または疼痛などの症状を減らすための放射線療法
    (5)新しい治療の臨床試験

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